こんにちは、げるねこです。
為替レートが急に大きな値動きを始めたので、
「この流れに乗ってエントリーすれば勝てる!」
と、意気込んだ矢先に見える含み損。
私がFXを始めた1日目に、エントリーした1秒後に1万円を吹っ飛ばしました。
初心者だったので何が起こったのか分かりませんでしたが、その瞬間に決済しました。
1万円の損で済みましたが、震えましたよ。
なので、今回はスプレッドが拡大する理由を紹介します。
スプレッドが拡大する理由
スプレッドは買値と売値の差額です。
差額が小さければ「狭い」、差額が大きければ「広い」と表現されます。
「スプレッドが拡大する」ということは、
買値と売値の差額が大きくなるということです。
スプレッドが広がる理由
・流動性が低い
・カバー先が少ないFX会社である
以上、大きく分けて3つの理由があります。
為替レートの急激に変化する
スプレッドが広がるほぼ全ての原因はこれにあります。
為替レートが急激に変化すると、時々価格に隙間が発生します。
これを「レートが飛ぶ」と表現します。
現在のレートが1ドル100円であっても、1秒後に1ドル101円になるかもしれません。
1円もレートが飛びました。
すると、強制ロスカットが間に合わなくなります。
本来、含み損が多くなると強制ロスカットによって取引を終了させられます。
「顧客の資産を守る目的……」などと言っていますが、FX会社の真意は違います。
もしも強制ロスカットに間に合わなければ、口座の残高を上回る損が発生するため、
顧客はFX会社の口座に証拠金の不足分を入金しなければなりません。
これを追証と言います。いわゆる、借金状態です。
これは顧客にとっても最悪ですが、FX会社にとっても最悪です。
顧客の数と取引数は莫大なため、一度に大量の人が口座資金以上に損失を受けると、資金が回収できなくなる恐れがあります。
結果として、FX会社が破綻することがあります。
過去にスイスフランショックという事件によって為替レートの急変動が起こり、顧客の損失を回収できなくなり、破綻したFX会社がありました。
FX会社は破綻を避けるために、顧客から損失分を確実に回収しなければなりません。
そこで、為替レートが急変動を起こすとFX会社はスプレッドを広げます。
最初にスプレッドを拡大しておけば、早めに強制ロスカットに届きます。
為替レートが飛ぶ前に強制ロスカットが行われれば口座資金以上の損失が発生しません。
そのため、FX会社は資金が回収できないリスクを軽減できます。
一部の顧客はスプレッドで大損をするかもしれませんが、FX会社は身を守るためにスプレッドを広げます。
FX会社は、私たちが利益を多く稼ごうが損失を受けようが関係ありません。
彼らにとっての損失とは、不足した証拠金を回収できないことです。
まぁ、私たちにとってスプレッドの拡大は損であること変わりはないのですが。
流動性が低い
流動性とは、売買の成立のしやすさのことです。
流動性が低いとは、売買が成立しづらい状態のことを指します。
・通貨を取引する人の数が少ない
・流通している通貨の量が少ない
・買いと売りのどちらかの注文が偏る
3つのうちのどれかによって発生します。
全てに共通していることは、「思った通りに取引ができなくなる」ことです。
決済のために売る、買い戻すこともできなくなります。
例えば、暴落中に通貨を持っている人は売りたくても、誰も買ってくれないので売れません。
なぜなら、買うと絶対に損することが分かっているからです。
価値が無くなっていく通貨を誰が買おうと思いますか?
私は買いません。
また、流動性が低下すると、為替レートが飛ぶことがあります。
だから「為替レートの急激に変化する」で述べた通り、顧客から証拠金を回収するために、
FX会社はスプレッドを広げます。
現に流動性の高いメジャー通貨(取引量が多い通貨)の「ドル/円」や「ユーロ/円」に比べて、
流動性の低いマイナー通貨(取引量が少ない通貨)の「スイスフラン/円」「カナダドル/円」の方がどのFX会社もスプレッドが高いです。
スプレッドを確認する時は、FX会社のホームページから調べることができます。
取引量が多くても流動性が低くなるタイミング
・ニューヨーク市場が閉じ、多くの国の為替市場が閉まっている日本時間の朝5時~8時
この2つの期間は流動性が低くなります。
特にニューヨーク市場は世界最大の金融市場であるため、かなりの影響力があります。
教科書に載った1929年の「世界恐慌」もニューヨークが発端ですから。
カバー先が少ないFX会社である
買値と売値はFX会社が取引を行っている、カバー先(FX会社の取引先の金融機関)が提示する為替レートに加工を加えたものです。
例えば、カバー先の為替レートが買値1ドル100円0銭の場合、
FX会社は1ドル100円5銭のように、価格を上乗せして私たちに買値のレートとして私たち顧客に提示します。
売値も同様に上乗せします。
もちろん、FX会社は参考にするカバー先の為替レートを適当に決めているわけではありません。
カバー先 | Ask(買値) | Bid(売値) |
A銀行 | 100円50銭 | 100円40銭 |
B銀行 | 100円51銭 | 100円41銭 |
C証券 | 100円52銭 | 100円42銭 |
D証券 | 100円53銭 | 100円43銭 |
以上のカバー先金融機関があった場合、
Ask(買値)は最も価格の安いA銀行、
Bid(売値)は最も価格が高いD証券のレートを参照します。
この為替レートに少しの価格を上乗せしたものがFX会社が私たちに提示するレートです。
さて、FXの裏側を知ったところで本題へ。
カバー先が少ないFX会社は自由な取引ができません。
提示されるレートの数が少ないため、高かろうが低かろうがカバー先からAskとBidを選ばなくてはなりません。
1つのカバー先なら、提示された為替レートも1つなので価格は急変しやすくなります。
逆にカバー先が多ければ、為替レートの選択肢も多く、常に最安値や最高値を参照するため急変を起こしづらいです。
結果、為替レートが飛ばないため、FX会社はスプレッドを広げる必要がありません。
スプレッドが広がった時はエントリーするな!
スプレッドが広い時はリスクが高い時です。
一言でいえば、絶対にエントリー(取引開始)してはいけない時です。
スプレッドが広くなっているときに、
短期間で価格が急変動を起こしやすく、
値幅が大きいタイミングでエントリーしたらどうなりますか?
FX会社ですら、スプレッドを広げてリスクから資産を保護しようとしているのに、初心者ごときが相場の波に乗ることができるでしょうか。
初心者の場合、ほぼ確実に負けるでしょう。
まず、スプレッドが広いので利益がマイナスからスタートします。
次に反対方向に価格が急変動するとゴリゴリと含み損を増やします。
強制ロスカットにならなくても、適切な損切ができなければひどい損失を受けるでしょう。
仮にエントリーした方向に価格が動いても、
スプレッド分のマイナスを超えるほどの利益にならなければ負けです。
利益と損失を考えると、スプレッドが広い時にエントリーは避けたほうが良いです。
もしもエントリーするなら、通貨量を通常より減らしましょう。